2015 年 67 巻 3 号 p. 247-249
種々の測定深度をもつ同軸プローブを用いて,ヒト前腕内側の皮膚の広帯域誘電分光測定をおこなった.皮膚を 30 分間加湿して吸湿飽和させた後に25℃-20%R.H. のもとで30 分ほど放置乾燥して,この間,数分おきに分光測定をおこなった.その結果,皮膚の最深部では自由水の1000 倍程度の100nsec ~1µsec の誘電緩和時間を有すること,表面から200µm までの自由水分布は単調増加すること,200~600µm では加湿直後では自由水量の極大値が存在すること,600µm より深い場所の自由水量は,ほぼ平坦分布であることがわかった.