2015 年 67 巻 3 号 p. 287-292
画像などの分類問題において高い精度を示している深層学習という多層モデルの学習アルゴリズムの研究が現在盛んに行われている.他方で,カーネル法という,2つのデータ間の“内積”を計算することによって高次元データなどを分析する手法がある.このカーネル法の枠組みで多層モデルに関する研究はあまりされてこなかった.そこで本研究解説では,部分空間カーネルを用いた新しい多層モデル(多層カーネルマシン)とその学習アルゴリズムを考案し,いくつかのデータセットに対してその性能を評価した.その結果,いくつかのデータセットに対して既存手法に比べて高い性能を示すことを確認した.