2016 年 68 巻 2 号 p. 123-126
東日本大震災による被災前後の状況や震災遺構などをデジタルデータとして記録し,仮想化空間で再現することで防災啓発などを目指した取り組みについて紹介する.宮城県山元町~青森県八戸市の沿岸道路では,震災翌月から車載カメラにより360°映像を連続的・定期的に撮影・蓄積している.また岩手県大槌町では,被災した旧役場庁舎の精細な三次元CGを実測に基づいて構築するとともに,収集した写真等から震災前の街並みを擬似的に再現した.更に2015年2月には,同町内で震災前後の様子を移動しながら仮想的に体験するデモを行った.