生産研究
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研究解説
炎症状態を模倣した微小血管のバリア機能評価モデル
薄葉 亮ジョリス ポティ高橋 治子末弘 淳一松永 行子
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2017 年 69 巻 3 号 p. 127-132

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抄録

全身を巡る交通網である血管は,血管の内側を構成する血管内皮細胞単層の働きにより,物質の出入りを制御するバリア機能を構築している.炎症が起きた際は,炎症性因子が血管内皮細胞に作用して血管の物質透過性を一時的に増大させる.種々の疾患状態においては,このバリア機能が崩壊することが知られており,その評価が必要とされている.しかし,従来の評価モデルでは動物モデルや培養手法の制約のために複雑な生理現象の解明の実現が困難であった.そこで本稿では,炎症物質および薬剤に対する血管透過性の変化を評価可能な三次元血管様構造モデルについて解説する.

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© 2017 東京大学生産技術研究所
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