2018 年 70 巻 4 号 p. 327-332
我が国の多くの研修カリキュラムは,防災活動を行う人材養成研修として,初心者から上級者までを対象に,それぞれのレベルに応じた広く浅い防災の知識を短期間で習得させようとするカリキュラム編成が多い.その講義内容は座学や演習を柱とした研修であり,実技までを実施している研修機関はほとんどなく,実際の災害対応の現場では,有効に機能しないことも多い.そこで本研究では,米国における訓練の体制や仕組みに着目し,ハワイ大学とTEEX へのインタビューを中心に米国における災害対応の訓練の仕組みについて考察する.