2020 年 72 巻 4 号 p. 319-322
道路下の空洞は,都市の成熟と共に様々な要因で生成し,場合によっては道路陥没を引き起こす.陥没防止のためには,地中レーダ探査によって路面下空洞を探知し,補修などの対策を施すことが,対症療法として効果的であるが,その費用は空洞生成の主要因であるインフラ老朽化や近年の気象の激甚化に伴い今後さらなる増大が予想され,効率的かつ合理的な陥没対策の構築が喫緊の課題である.本研究では,これまでの室内試験や既存データの分析による陥没危険度評価方法の検証とともに,舗装構造を考慮した評価方法を開発するために,人工空洞を設置した実物大試験道路を埼玉大学構内に構築した.本報では試験道路の構築および路面陥没の限界耐力の計測のために実施した空洞載荷試験の概要を報告する.