2020 年 72 巻 4 号 p. 323-327
鉄筋コンクリート構造物において鉄筋腐食は構造性能の低下をもたらす重要な劣化要因である.鉄筋腐食による構造内部の損傷を評価するには数値解析が有用となる.本研究では離散解析手法である剛体ばねモデル(RBSM)を用いた微細構造解析による鉄筋腐食の再現と,引抜耐力についての検討を行う.鉄筋表面の膨張により腐食を再現し,コンクリートに損傷が与えられ,その後に引抜載荷を行うことで残存耐力を評価する.腐食度,表面ひび割れ,帯鉄筋による拘束の引抜耐力への影響を,既存の実験結果と比較し議論する.