2021 年 73 巻 4 号 p. 247-251
建築の運用に伴うCO2 排出量について許容上限量(capping)を設定して,いわゆるcap and trade により炭素クレジットを市場で売買するcarbon trading が導入されることになれば,建築における省エネルギー活動は,光熱費の削減だけでなく,炭素クレジットという資産も形成する手段となることから,低炭素社会実現に向けての経済的動機づけを生むことができる.carbon trading 動機づけにより普及が期待されるIoT によるエネルギー運用改善システムは,市場成立の要件であるMeasurable,Reportable,Verifiable の原則を資産計測の物差しが満たすことや,制約なき再生可能エネルギー導入するための能動的需要調整にも寄与することが期待される