生産研究
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研究速報
スパイラル形状の連続気孔を有する固定砥粒工具の開発
上村 康幸土屋 健介
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2021 年 73 巻 5 号 p. 405-409

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抄録

本研究では,目詰まりを起こさずに精密加工が可能な固定砥粒工具を実現するために,表面にスパイラル状の連続気孔を有する固定砥粒工具を提案した.工具基材にワイヤを巻き付けることで工具と被加工物の接触を線接触とし,その近傍に常に連続気孔を配置した.試作した工具を用いた加工実験を通して,目詰まりの原因は,砥粒率が高いことによって閉じた気孔が形成されること,工具と工作物が面接触すること,砥粒周りに連続気孔が存在しないことである.これらの因子を考慮して作製したスパイラル固定砥粒工具は,目詰まりを起こさず鏡面加工できることを示した.

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© 2021 東京大学生産技術研究所
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