2022 年 74 巻 1 号 p. 45-51
都市環境では交通による排気ガス及び粒子状物質が歩行者に被害健康をもたらす.従来の数値流体力学手法 (CFD) は汚染物質を化学反応しないパッシブスカラーと見なすことが多く,二次汚染物質の生成を考慮しないため予測精度に影響を及ぼす.そこで,本研究はガスとエアロゾルの化学反応を解析するボックスモデルSSHAerosol をCFD ソフトウェアOpenFOAM と連成し,ストリートキャニオンにおける汚染物質の拡散解析を行った.予測される濃度を実測値で精度検証した上,二次汚染物質の生成がガス濃度,粒子状物質の粒度分布と化学組成に大きく影響すると判明した.