生産研究
Online ISSN : 1881-2058
Print ISSN : 0037-105X
ISSN-L : 0037-105X
研究速報
疑似等方性CFRP 積層板の衝撃損傷における超音波ラム波の散乱現象の理論解析
譚 朗星齋藤 理岡部 洋二
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 75 巻 4 号 p. 301-304

詳細
抄録

本研究では,疑似等方性CFRP 積層板の衝撃損傷における超音波ラム波の散乱現象の,理論的な解析を試みた.まず,ミンドリン‐ライスナー板理論に基づく計算方法を等方性材から疑似等方性材へと拡張し,散乱波の振幅の方位分布を計算した.その結果は数値シミュレーション結果と一致しており,本理論計算の妥当性が確認できた.さらにその振幅は,ラム波の波長が損傷の半径と同程度の場合,共振により増大することがわかった.これは,散乱波に基づく疑似等方性CFRP 積層板の損傷検知法の確立に有用な知見と考えられる.

著者関連情報
© 2023 東京大学生産技術研究所
前の記事 次の記事
feedback
Top