生産研究
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研究速報
2024年能登半島地震による内灘町の液状化流動被害
清田 隆栗間 淳
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2024 年 76 巻 4 号 p. 417-421

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抄録

本報告は,2024年能登半島地震により石川県河北郡内灘町で発生した液状化と,それに伴う側方流動の被害調査を取りまとめた.被害調査は,栗崎・鶴が丘・宮坂・西荒屋の4地区で行われた.調査地全体の被害傾向をまとめると,家屋被害は液状化に伴う支持力低下による沈下,および流動による変状が主な原因であったが,部分的に両者が複合的に作用した被害家屋も確認された.側方流動起点の亀裂・段差は数十cm程度であり噴砂はほとんど見られないが,流動斜面下部では時折大量の噴砂が確認された.液状化に伴う側方流動は斜面下部の平坦部の道路で止まるケースが多いが,西荒屋地区では道路と斜面の境界部での圧縮および道路の隆起が他の地域より多数確認され,その規模も顕著であった.また,同地区では側方流動域内にある杭基礎の建物が,流動の規模を軽減した事象が確認された.

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© 2024 東京大学生産技術研究所
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