乱流レイリー流れは,加熱が乱流に与える影響を考察するためのテスト問題である.著者らは昨年,これの直接数値計算を行い,乱流レイリー流れにおいても乱流熱フラックスの逆勾配拡散が発生することを示し,また統計量の輸送方程式の解析をすることで,そのメカニズムを考察した.本研究では,逆勾配拡散のメカニズムで重要な働きをしていた,統計量の輸送方程式の線形な項のみに注目した解析を行なった.結果として統計量の解析解が得られ,これは直接数値計算の結果と定性的に一致した.これにより乱流レイリー流れにおける逆勾配拡散の定性的なメカニズムが明確に示された.