日本生態学会誌
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学術情報特集 次世代の経済・社会と生物多様性の政策統合に向けて
人口減少・成熟社会におけるグリーンインフラストラクチャーの社会的ポテンシャル
岩浅 有記 西田 貴明
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2017 年 67 巻 2 号 p. 239-245

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抄録

グリーンインフラストラクチャー(Green Infrastructure、以下「GI」とする)は自然生態系が持つ機能を活かして社会資本整備や国土管理を行う新たなインフラの概念であり、従来型のインフラに替わる新たな概念として欧米を中心に近年広まってきている。欧米では既に都市計画や農業土木、自然環境保全など、あらゆる分野でブレイクスルーをもたらす基礎的な概念として浸透しつつある。日本では、2015 年8 月14 日に新たな国土利用計画及び国土形成計画が閣議決定され、さらに同年9 月18 日に社会資本整備重点計画が閣議決定された。日本においても国土計画や社会資本整備に関する計画にGI の概念や施策の方向性が初めて盛り込まれた。本稿ではまず日本における国土の状況を述べ、それに対してGI がどのように活用できるかを、概念や事例を挙げながら説明する。そして国内外におけるGI に関する最近の動きを追い、日本での今後の取組や方向性について論じる。

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© 2017 一般社団法人 日本生態学会
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