論文ID: 2402
国際化が求められる一方、科学の共通言語である英語でのコミュニケーションの機会は、日本国内では今もなお限られている。そこで、生態学・進化学分野における外国人留学生と日本人との交流の活性化を図るため、コロナ禍の2021年から日本生態進化英語セミナー(Japan Eco-Evo English Seminar [JEEES])をオンラインで行い、2023年12月には対面でのワークショップを東北大学において開催した。本稿では、国際交流の場を提供する意義を伝え、企画の詳細と成果を報告する。本ワークショップでは、日本で研究する外国人と日本人の若手研究者や学生をターゲットに全日程を英語で進めた。国内の研究機関に所属し、海外経験がある多様なメンターを9名招聘した。通常のシンポジウムや学会で行われる長い研究発表をせず、自己紹介を目的とした3分間のライトニングトークと、参加者間の研究に関する議論や交流を目的とした少人数でのグループディスカッションを実施した。また、若手研究者の交流促進とキャリア相談の機会を提供するため、パネルディスカッションやピアメンタリング(同じ立場や似た経験を持つ人の間での助言やサポート)を設けた。JEEESは、国内における研究者の新たな国際的ネットワークやコミュニティの下地を提供し、今回得た経験をもとに、今後も日本の生態学・進化学における次世代の育成に貢献する活動を続けていく予定である。