エタノール水溶液を用いるベンジルフェニルエーテルの加溶媒分解：二酸化炭素添加効果

抄録

リグニンは芳香環が複数の結合様式で結合した三次元構造を有する高分子化合物である。リグニンを部分分解し有用な芳香族化合物を得る研究がされている。硫酸などの強酸を用いた分解方法では、反応後に塩基による中和処理が必要などの課題がある。高温水および高温炭酸水を溶媒かつプロトン源として加溶媒分解することで塩基による中和処理が不要となる。今回我々は高温のエタノール水溶液と二酸化炭素を用いるリグニンα-O-4モデル部位であるベンジルフェニルエーテルの加溶媒分解を検討した。