2012 年 53 巻 12 号 p. 1024-1031
本研究は,衣類商品のインターネット(以下,インターネットをeと表記)ショッピングにおける消費者の知覚リスクに関する先行研究を踏まえて,衣類商品e購買態度形成モデルを提案し,日韓両国の消費者アンケート調査に基づいてモデルの妥当性を比較・検証したものである.その結果,日韓両国とも衣類商品のe購買態度形成に最もネガティブな影響を与えている知覚リスク因子は美的・感覚的要素に関するリスクであること,情報収集志向や購買能力といった消費者の内的要因が衣類商品eショッピングにおける好意的な購買態度形成に寄与していることが明らかになった.また,日韓比較においては,両国の衣類購買e態度形成モデルの構造には類似性があることが分かった.しかし,韓国の消費者は衣類関与が高いほど好意的なe購買態度を形成しているが,日本の消費者にはこうした関連性がみられないといった相違点も明らかになった.