2012 年 53 巻 12 号 p. 1017-1023
消費者が求める基本的・本質的企業責任とは,そもそも「公正な取引に努めること」であったはずだが,近年では,自身の立場に関係なく,複合的,包括的な「責任」が社会全般として求められるようになってきた.
この関心の高まりと共にCSRに関する指標が誕生はしているものの,しかしながらそれらのどの指標も,消費者が求める,また認識する「企業責任」を示すものではない.
そこで本研究では,消費者求めるCSRの指標を検討すべく,まず消費者が認識する「企業責任」を,マーケテイングの基本命題である「顧客満足」との関係から考察する.