繊維製品消費科学
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媒染染色した麻布の光劣化
―赤外光と温度の影響―
金井 まゆみ小原 奈津子
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 53 巻 4 号 p. 285-293

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抄録

染料と媒染剤が光劣化に及ぼす影響を明らかにするために,ヘマトキシリンまたはクルクミンと媒染剤である硫酸アルミニウムカリウムまたは硫酸第一鉄を用いて媒染染色した麻布の光劣化について検討した.照射光の影響を見るために,キセノン光と赤外光を比較した.クルクミン硫酸アルミニウムカリウム試料は最も速やかに退色したが,強度低下は最も少なかった.媒染剤として硫酸アルミニウムカリウムを用いた試料は,概して退色が著しかった.すべての染色布において,赤外光では退色は進まなかった.一方,硫酸第一鉄を用いた試料は強度低下が大きく,鉄の存在が劣化を促進させていることが確認された.ヘマトキシリンで染色した麻布は赤外光に暴露した場合でも強度低下は速く,紫外光のみならずわずかな加熱によっても劣化しやすいことが示唆された.また,麻布中のセルロースの酸化は熱により進みやすいことが明らかとなった.これらのことから,染色にヘマトキシリンや硫酸第一鉄を用いた場合,紫外光のみならずわずかな熱によっても大きく劣化が進む場合があることが明らかとなった.

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© 2012 一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
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