2012 年 53 巻 5 号 p. 356-370
6色の平面の綿ブロード試料RED,YELLOW,GREEN,BLUE,WHITE,BLACKについて,ベース照明にスポット照明を加えた場合の色印象の強調を,13の印象用語を用いる官能検査により調査した.スポット照明は,白熱灯または蛍光灯のベース照明に電球色または昼白色しEDランプを組み合わせた4種類とした.スポット照明による印象強調を,ベース照明の白熱灯と蛍光灯のどちらで印象が強調されるかを調べた前報の結果をふまえて総合的に検討し,次の結果を得た.(1)13の印象用語は,色を通じて印象強調が多い6語(「明るい」,「クリアな」,「目立つ」,「派手な」,「あざやかな」,「光沢のある」)と,強調が少ない他の7語の2群に区分された.(2)プレタポルテ売場のような低照度では,印象用語の区分によらず印象強調が見られた.(3)ベース照明では,REDは白熱灯で,BLUEは蛍光灯で強調される傾向がスポット照明でも引き継がれ,REDでは電球色LEDランプを,BLUEでは昼白色LEDランプを加えたスポット照明下で印象がさらに強調された.しかし,他の色ではベース照明下とはほとんど対応することなく,印象強調するスポット照明が存在した.(4)印象強調が多い6印象用語を通じて印象強調に有効なスポット照明として,白熱灯をベース照明にして昼白色LEDランプ照明を加えたスポット照明環境が選定できた.(5)このスポット照明環境により,スポット照明によってかえって印象が減殺する場合が激減することがわかった.(6)注目する印象を強調するために有効な照明選定の指針を例示することができた.