繊維製品消費科学
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報文
運動に伴う体表面蒸散量分布の変化
―衣服素材の必要水分透過量設計に向けた基礎研究―
山田 巧田村 照子
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2012 年 53 巻 8 号 p. 636-642

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抄録

本研究の目的は快適な衣服素材の定量的評価のため,異なる温度条件下における成人男性8部位の局所蒸散量と歩行運動後の変化を明らかにし,前報の局所発汗量と比較することによって,肌着素材に求められる水分移動特性について考察することにある.環境温度条件は前報と同様,28,31,34,37℃,湿度50%.r.h.一定とし,エバポリメーターを用いて,各環境下における椅座位安静時,歩行運動後の前額,胸部,背部,臀部,上腕,前腕,大腿,下腿の局所蒸散量を計測した.主たる結果は以下のとおりである.①椅座位安静状態での局所蒸散量は環境温度上昇とともに大となり,暑熱環境下では前額,四肢の蒸散量が高い傾向にあった.②環境温度34℃,37℃における前額,胸部,背部の局所蒸散量は歩行運動後に有意に上昇した.③環境温度上昇に伴う局所蒸散量の変動は,体幹部よりも四肢で大となる傾向がみられた.④37℃における各部位の平均局所蒸散量と平均局所発汗量の差を比較すると,安静時運動後ともに体幹部で大きく,四肢で小さい結果となった.これらの結果より,暑熱環境下では体幹部で汗の残留・流失が生じやすく,また,衣服の設計上,ウィッキングなど衣服素材の水分移動特性によって,こうした残留汗量への対処が重要であることが示唆された.

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© 2012 一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
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