2015 年 56 巻 1 号 p. 71-75
服飾デザイン系学生の作品制作に活かすことを目的として,多くの学生が興味を示したポリエステル布の形状固定と染色を取り上げ,家庭や学校で行う場合にどのような方法が適当であるのかを明らかにすることを目的とした.
実験は,ポリエステル布,ポリエステル65%/綿35%混紡布の2 種類を用いてガラス玉を包み,熱水,スチーム,乾熱処理で形状固定を行い,そのセット性と保持性を調べた.また,市販の分散染料と助剤を使用して,段階的に温度と時間を変化させて染色性についても調べた.
その結果,熱水状態のセット率は,処理温度が高くなるほど向上したが,乾熱状態でのセット性は低かった.染色性では,染色時間が長いほど高い染色性が得られ,15~20分の染色時間では90℃でも100℃と同程度の染色性が得られた.これらの成果をふまえて学生に小物を制作させ,その後の作品制作に繋げることができた.