繊維製品消費科学
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成人女子の衣に関する消費者意識の年齢差と時代差
川上 梅
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2020 年 61 巻 3 号 p. 224-233

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抄録

1998 年から2018 年までの偶数年11 年分の成人女子の消費者意識(生活価値観,消費,衣食住)に関する計61 項目の肯定率データ(博報堂生活総合研究所による)に主成分分析を適用した結果, 衣に関する消費者意識を3 主成分に集約した.第1 主成分(寄与率35.4%)は若い年齢程高い,年齢差を表す主成分であり,時代差はほとんど認められなかった.第2 主成分(寄与率24.6%)はこだわり意識の強弱を表す主成分で,20 年間,全年齢層で漸減する時代差を表す主成分であり,所謂スローライフからファストライフへの移行を示していた.第3 主成分(寄与率11.9%)はブランド品の良さを評価し,ディスカウントショップでも良いから買いたいと思い,品数が揃っている実店舗までわざわざ買いに行くという意識を表す主成分であった.1998 年には若い年齢層で顕著であったこのバブル期のファッション意識は2008 年頃までに終焉を迎えた.

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© 2020 一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
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