抄録
本研究は, 従来から行なわれているシワの物理的な研究とは異なり, 実用的な観点からスカートの着用実験を行なったものである.方法として, (1) 11名の被験者がスカート寸法の等しい, 生地, デザインの異なる11着のスカートを着用し, (2) 一定の椅子に腰を掛けてシワをつけ, (3) そのシワについて各種要因が, シワの個数と形状に及ぼす影響を求めた.要因として, 坐っている時間, 回復時間, 生地の組成と性質, スカート上の位置, 座り方, 体型などを取り, シワは個数, 長さ, 幅, 方向, 鋭さにより表現した.その結果は集洛分析により, シワの性質による位置のグループ化を行ない, スカートの位置別のシワの特徴をつかんだ.また数量化理論I類により, それぞれの要因の効果を求め, またその結果よりシワを予測する式も求めた.