繊維製品消費科学
Online ISSN : 1884-6599
Print ISSN : 0037-2072
ISSN-L : 0037-2072
日常生活における合繊衣服に基づく人体の帯電と電撃障害
奥窪 朝子酒井 恒美
著者情報
ジャーナル フリー

1974 年 15 巻 10 号 p. 438-443

詳細
抄録

著者らの改良した人体電位測定器を用い, 日常生活の諸動作時における人体の帯電について追求を行った.人体の帯電は着用衣服の素材, 動作に支配され, また環境気湿, 人体と床などとの絶縁状態に大きく左右された.最高帯電電位は10kvに達し, 立位静止状態でその電位が2kvに減衰するまでに60secを要した.一方, 帯電電荷の放電によって痛みを感ずる閾電位は女性1.3~2.5kv, 男性1.5~3.0kv, 恐怖を感ずる閾電位は女性1.5~4.0kv, 男性2.5~6.0kvであった.この成績より電撃の危険性という点から日常生活における人体の帯電を考察すると, それは決して見逃すことのできないものといえよう.なお, アンケートの結果, 日常生活において電撃を経験したことのある者が256にみられた.

著者関連情報
© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top