1975 年 16 巻 5 号 p. 151-155
羊毛製品は従来難燃性とされてきたが, 条件によってはかなりよく燃えひろがることがあり, 時代のすう勢, 燃焼性測定法の進歩とともに可燃性に区分づけられる場合もみられるようになった.そこで羊毛集合体はどのような条件で燃焼するのかを明確に把握するための一つの試みとして, 含気率と周囲の関係湿度とを変化させた場合について検討した.
その結果, 含気率99.0~99.5%を境として, これより含気率が大きい場合には周囲がかなり高湿度状態でもよく燃え, レーヨンと同程度の燃焼性を示した.しかしこれ以下のコンパクトな構成の場合には著しく燃焼性が低下し, レーヨンに比べて燃えにくくなり難燃性として挙動することがわかった.