1976 年 17 巻 5 号 p. 169-175
i本の側糸がよられてできたモロヨリ糸に引張外力P=iPが作用すれば, 第1図に示すようにモロヨリ糸中に曲った状態で入っている構造では1本の側糸にはPの外力が加わることになる.この引張外力が作用すると側糸は更に接触する.そこで1本の側糸に生じる内力をKirchhoffの基礎式より求め, また, せん断内力は無視, 拘束ねじりモーメントの影響は小さく, 内力と変形との間にはHookeの法則が成立し, 接触圧を受けている部分には, いわゆるHertzの接触理論が用いられると仮定して, モロヨリ糸中に曲った状態で入っている1本の側糸に働く内力を求める式を弾性力学的に検討し, 更にモロヨリ糸の引張強さを求めた.
これらの式の解析および実例計算については次報で報告し, 更にモロヨリ糸の消費性能について逐次検討する予定である.