繊維製品消費科学
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廃棄されるスリップの性能について
山田 裕子酒井 豊子
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1977 年 18 巻 1 号 p. 32-40

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抄録

衣服の取扱いと寿命の関係を検討することを目的として, まず, 廃棄時の衣服の性能を知るために, 新品および廃品スリップの性能を比較し, 次の結果を得た.
・厚さ, 平面重の比較から, 廃品は身生地がかなり収縮していることが推定され, 張りがなくなって, 伸びやすくなっている.特にキュプラが著しい.
・ナイロンは強度が甚だ大きく, 黄ばみ・黒ずみが大きくなるまで着用され, 廃棄要因として変色が大きな影響を与えている.帯電性については帯電電圧半減期の著しく長いものもあるが帯電性そのものは廃棄理由とならない.
・キュプラは強度が小さく, 諸物性の変化が大きいために, 変色が大きくなる前に身生地がいたんで棄てられる.
・混用のものは, キュプラの混用により帯電性は改善され, 変色はナイロンと同程度まで着用されたものもある.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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