1977 年 18 巻 4 号 p. 146-151
目的: ニットの縫目評価のため, 自記膜式破裂試験機を試作し, 2, 3の実験を行ない, 試作機が縫目評価に適用できるかを検討した.
成果: (1) 従来のミューレン形破裂試験機に抵抗線ひずみゲージ応用のフラッシュダイヤフラム式圧力変換器およびインダクタンス式変位変換器をとりつけ, 両変換器をひずみ計, 記録計に接続し自記式とした.自記式にしたことにより
(イ) 圧力と変位線図が得られる.変位から伸び率を求めることにより, 圧力と伸び率との関係を示す線図が得られた.
(ロ) 破裂強さの計算においてゴム膜圧を差引く場合, 試料破裂時のゴム膜圧を記録することができるので, この値を差引くことにより, 正確な破裂強さが求められた.
(2) 縫目強さおよび伸び率の実験では
(イ) 本縫, 二重環縫の縫目形式間においては, 縫目強さおよび伸び率とも二重環縫>本縫で, F検定の結果, 1%の危険率で高度な有意差がみられた.
(ロ) 縁かがり縫におけるポリエステルフィラメント#50, ポリエステルスパン#60の縫糸間では, 縫目強さおよび伸び率ともポリエステルフィラメント#50>ポリエステルスパン#60でF検定の結果1%の危険率で高度な有意差がみられた.