繊維製品消費科学
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市販ワイシャツの着用実験による性能の検討
辻井 康子丹羽 雅子水梨 サワ子
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1961 年 2 巻 1 号 p. 17-24

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抄録

市販の木綿100% (サンフォライズ) , ナイロン30%木綿70%混紡, テトロン65%木綿35%混紡の三種のワイシャツについて着用実験を行ない, ワイシャツとして要求される性能を白さ, 丈夫さ, 縮み, 洗たく仕上げの難易, 着心地などについて検討した.
三種のワイシャツを成人男子10名が順次3日ずつ着用し, 洗たく25回まで着用および洗たくをくりかえし, 洗たく回数別の白度, 強さ, 収縮度, 乾燥性, 防しわ性, 剛軟度について測定を行なった.
白さについてはリフレクションメータ測定値と視覚判定の結果は, 洗たく0~10回まで一致しないが三種とも洗たくを重ねるにしたがって白度が低下し, 特にテトロン混紡の白さの低下が大きい.
丈夫さについては, 強さやその他の要素について測定を行なったが, 三種とも洗たく回数を重ねるにしたがって強さは低下する.テトロン混紡の低下率はもっとも少ないが三種の間には丈夫さの優劣はつけられない.
縮みについては三種とも洗たくによる収縮, 伸長はみられない.洗たく仕上げについては, テトロン混紡がもっとも早く乾き, しわになりにくく, 取り扱いが容易であるのに対してナイロン混紡は木綿と同程度である.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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