繊維製品消費科学
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芯地に関する研究 (第3報)
―両面接着芯地の接着条件がはく離強さにおよぼす影響―
安原 由紀子山田 都一
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1980 年 21 巻 12 号 p. 524-532

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抄録
本研究は, 4種の試料布とポリアミド系樹脂でくもの巣状ウェブの両面接着芯地を用い, 接着温度, 接着圧力, スチーム時間の3条件を変えたときの各接着条件のはく離強さにおよぼす影響を検討した.そのおもな結果は次のようである.
(1) 接着温度, 接着圧力, スチーム時間のいずれの条件も, はく離強さに有意性が認められる. (2) 毛羽のあるサージやモスリンの織物では, 接着温度が高く, 接着圧力が大きくなるにつれて, 溶融した芯地の樹脂は織糸内部に入り込みやすくなり, はく離時の毛羽の滑脱も多くなる. (3) 乾熱 (スチームなし) で接着すると両面接着芯地の樹脂はフィルム状に近い状態に溶融し, スチームを付与して接着すると樹脂はくもの巣の塊状に溶融する. (4) 異種織物各1枚を両面接着芯地で接着した時のはく離強さは, その異種織物のうちの1種のみを2枚で接着した時のはく離強さの小さい方の値に近い.
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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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