被服地の白さ領域を検討し, 人間の官能に対応する白色点を求めて白色度の表示に役立てるために本研究を行った.
白さを判断する試料としては, 綿布を赤, 黄, 青の染料でわずかに色みづけしたものと, その上に濃度別に蛍光増白したものを使用し, これらの試料に光照射したものを加えて光学測定と官能検査を行った.官能検査結果より因子分析による白さの感情効果を求め, また尺度構成による白さの位置づけを試み, 白さの領域を追求するとともに白色度式を検討した.
その結果, 光学測定と官能検査より求めた白色表示直線によって白さの領域が明らかとなり, 本実験より導き出された白色度式は視感的白さとの相関性が高く, 人間の官能によく対応するものと判断された.