繊維製品消費科学
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繰返し変形によるダブルニット布の寸法変化と寸法回復挙動
間宮 尊子丹羽 雅子
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1981 年 22 巻 10 号 p. 438-442

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抄録

疲労を予測するための基礎的な資料を得るために, ダブルニット布の繰返し変形による寸法変化とその回復挙動を調べ, 前報で報告した力学量の回復挙動と関連させて検討した.
1) 疲労後の寸法の時間変化にともなう回復挙動は前報の力学量の回復挙動と同型の指数関数で近似できる.
すなわち
zl-1=αll・exp (-t/T0)
ここでαlは残留のび量, βlは回復寸法量, T0は回復時定数である.
2) αlは繰返し変形数nが増加すると増え, 回復率r (=βl/ (αll)) は低下する傾向がみられる.
3) ポンチ・ローマ編布とインターロック編布では, 寸法回復特性において差異が認められ, さらに梳毛編布と加工糸編布では後者のαlが小さい.
4) αlは疲労前の布の基本力学特性のうち, 引張りおよびせん断ヒステリシス特性と直線関係が認められ, 疲労予測の手掛りが得られた.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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