抄録
衣服設計の基礎資料を得るため体型を部分に区分し, その形状特性について検討した.21才~22才の青年女子51名を被検者とした.検討部位は前面では乳房部, 肩部に向かった胸部の傾斜であり, 後面では肩甲骨後突点周辺のふくらみ, 胴部へ向かった背面の傾斜である.これらの部分形状を知るうえで有効と思われるモアレ法を用い, 解析を試みた.
1) 乳房部の形状は半球状とみなすことができ, 肩甲骨後突点周辺のふくらみは皿状と考えることができる.
2) 乳房部の形状は乳房中心角, 肩甲骨後突点周辺のふくらみは肩甲部中心角, 胸部の傾斜は胸部傾斜角度, 背面の傾斜は背面傾斜角度で定量化した.
3) 乳房中心角の平均値は58.5度, 標準偏差12.6度であり, 平均値を中心に1〓ごとに4分類できる.
4) 胸部傾斜角度の平均値30.1度, 標準偏差5.9度であり, 平均値を中心に1〓ごとに4分類できる.
5) 肩甲部中心角の平均値は20.7度, 標準偏差5.8度, 背面傾斜角度の平均値は17.0度, 標準偏差4.2度である.これらは個人差が少なく, 平均値士1.5〓の標準型およびそれ以上, 以下の3分類が適当である.