繊維製品消費科学
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メチルハイドロジエンポリシロキサン処理による綿平織布間の静摩擦力の変化について
増渕 久子佐貫 治夫池田 和彦小関 直美
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1983 年 24 巻 1 号 p. 31-34

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抄録
前報と同じ目的で, 本報では同一試料布をメチルハイドロジェンポリシロキサン (MHPS) で処理した場合, 未処理布同士の静摩擦力に比べて処理布同士の静摩擦力がどのように変化するかについて検討した.MHPSの粘度は1水準 (20cs) , 処理液の濃度は前報と同じ6水準とし, パッドードライーキュァ法によって処理した.
初回摩擦時の静摩擦力は処理液濃度が高くなるとともに順次低下した.これは前報のジメチルポリシロキサン (DMPS) とはかなり異なった結果でDMPSがある濃度以上で静摩擦力が水平になるのに対し, MHPSは連続的に減少する.その原因はMHPSがキュアリングによって3次元網状化し形成されたフィルムの作用によると考えられる.また同一試料布同士をくり返して摩擦した場合, 高濃度になるほど静摩擦力の低下の割合が顕著になった.
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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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