抄録
本研究は, 2つの目的を持っている.1つは, 被服関心の基本的次元を検証することによって, 被服関心として言及される被服行動の領域を明確化すること (ギュレルの研究に関する追試) であり, もう1つは, 我が国において使用可能な, 簡略版「被服関心度質問表」を試作することである.
得られた結果は, 次のとおりである.
(1) 被服関心に関して, I個性を高める, II心理的安定感を高める, III似合いの良さを探究する, IV同調を計る, V快適さを求める, VI理論づけを計る, W慎みを求める, VIII対人的外観を整える, の8つの被服関心次元を検証することができた.
(2) 48個の質問項目から, 上記8次元別に被服関心度を測定しうる, 簡略版「被服関心度質問表」を試作することができた.