抄録
織物の燃焼性に関し, 異種織物の重層における酸素指数 (OI) について実験, 検討を行った.
綿あるいはアクリル織物と可燃性織物を重層した場合, その酸素指数 (OI) nは一般的な複合則によく適合し, 重層した布の個々の酸素指数 (OI) a, (OI) bおよび体積分率V1, V2から次式により算出し得ることを認めた.
(OI) n= (V11/V1+V2) (OI) a+ (V2/V1+V2) (OI) b
また防炎加工綿織物の場合, 易燃性織物との重層における酸素指数は複合則による計算値より実測値がすべて小であり, 防炎加工の効果は十分に発揮されない.一方, 防炎加工織物との重層では計算値OIより実測値OIがすべて大となり, 相乗的な難燃効果が認められた.