繊維製品消費科学
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ぬれ色について
(第1報) ―乾燥時の色濃度と湿潤時の色濃度との関係について―
中村 妙子吉川 清兵衛寺主 一成
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1984 年 25 巻 8 号 p. 411-416

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抄録
染色布が湿潤すると色が濃くなることは, 周知の事実であるが, どの程度濃くなるかについては, いまだに検討されていない.そこで, 色濃度C*値を用いて, 乾燥時の色濃度 (CD*) と湿潤時の色濃度 (Cw*) との関係を調べた.
その結果, Cw*=a (CD*-p) 2+q
の一般式で導かれる放物線の左半分で表わされることが明らかになった.色相, 繊維の種類により, a, p, qの値は変わるが, 頂点の座標 (p, q) を調べることにより, およその関係を推定することができる.
また, 湿潤による色濃度変化は, 淡色の場合, ほとんどが明度低下のために生じる.明度低下は, 色相, 色濃度に関係なく, 繊維によりほぼ一律に生じるため, 原白布の明度差を調べることにより, どの程度の色に変化するか推定できる.濃色になるにつれて, 彩度の影響が見られるが, これについては, 更に検討を行いたい.
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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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