繊維製品消費科学
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無リン洗剤による洗浄に関する研究 (第5報)
―アニオン界面活性剤・ポリアクリル酸ナトリウム・プロテアーゼの配合効果が複合汚染布の洗浄挙動に及ぼす影響―
佐藤 昌子滝本 かおり皆川 基
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1985 年 26 巻 6 号 p. 253-259

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抄録
Scheffeの単純格子計画法を用い, アニオン界面活性剤 (DBSまたはAOS) ・SPA・アルカラーゼの配合効果が複合汚染布中の各汚れの離脱挙動に及ぼす影響について, 溶液特性との関係より検討した.
1) たん白質 (ゼラチン) 汚れの洗浄性は固体汚れとの相互作用に大きく影響されるため, 比較的酵素配合比の低いSPA・アルカラーゼ2成分格子点上において相乗効果が認められる.
2) 固体汚れ (泥およびカーボンブラック) の洗浄性は界面活性剤の硬度特性に大きく依存し, 3成分中のDBSの寄与率は硬度によって大きく変わる.
3) ゼラチン, 泥, カーボンブラックのいずれの汚れに対しても, またいずれの硬度に対しても, 3成分中のアルカラーゼの寄与率は一定で, 最高格子点はアルカラーゼ水準25~40%の格子点上に認められる.それは, たん白質と固体汚れの複合体としての離脱挙動が大きく影響するためである.
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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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