繊維製品消費科学
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‘知覚されたファッション・リスク’とその低減戦略に関する研究
神山 進苗村 久恵田中 早苗高木 修
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31 巻 (1990) 4 号 p. 190-201

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抄録

人々の主観に基づく危険性の評価のことを, リスク知覚と呼ぶ.本研究は, 特に流行に敏感な商品の購入時に知覚されるリスク (‘知覚されたファッション・リスク’) について, その内容やリスク解消法 (低減法) の内容, さらに両者の関連性や, その関連性に影響する消費者の個人的特性を, 衣服の購入事態を通して検討した.
得られた結果は, 次のごとくであった.
1) ‘知覚されたファッション・リスク’の構造に関して, 「品質・性能懸念」, 「服装規範からの逸脱懸念」, 「着こなし懸念」, 「流行性懸念」, 「自己顕示懸念」と命名した, 5種類の懸念 (因子) が抽出された.
2) リスク低減法の構造に関して, 次のように命名された, 12種類の懸念解消法 (因子) が明らかになった.すなわち, 「友人/モデルによる保証」, 「ブランド/ストアの高イメージによる保証」, 「品質・性能の確認」, 「着用方法の確認」, 「ストア・ロイヤリティ」, 「購入の即断回避」, 「販売店員の助言」, 「家族による保証」, 「経済的犠牲の軽減」, 「着用寿命の確認」, 「試着」, 「自己納得」, である.
3) 5つの‘知覚されたファッション・リスク’のそれぞれを解消させる低減法が, 次のように明らかになった.すなわち, 「品質・性能懸念」を解消させるための「品質・性能の確認」と「着用寿命の確認」, 「服装規範からの逸脱懸念」を解消させるための「経済的犠牲の軽減」と「着用寿命の確認」, 「着こなし・流行性懸念」を解消させるための「友人/モデルによる保証」と「着用方法の確認」, 「流行性懸念」を解消させるための「ブランド/ストアの高イメージによる保証」, 「自己顕示懸念」を解消させるための「着用方法の確認」と「家族による保証」, である.
4) ‘知覚されたファッション・リスク’に対してどのような解消法が利用されているかの観点から, 被調査者の群化が行われ, 4つのクラスターを得た.また各クラスターを, 消費者の個人的特性 (性・年代・社会心理的特性) によって特徴づけることができた.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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