繊維製品消費科学
Online ISSN : 1884-6599
Print ISSN : 0037-2072
ISSN-L : 0037-2072
31 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 大橋 照枝
    1990 年31 巻4 号 p. 160-167
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
  • 山崎 和秀
    1990 年31 巻4 号 p. 168-171
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
  • ―フィルム巻層法によるナイロン6フィルムの染色性についての検討―
    小林 政司, 皆川 基
    1990 年31 巻4 号 p. 175-182
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    フィルム巻層法を用い泡沫染色における分散染料のナイロン6フィルムへの拡散について速度論的考察を行うとともに, 同法により得られるフィルム巻層表面の染着量からも考察を試み次の結果を得た.
    1) フィルムの吸光度曲線の比較から, フィルム上に吸着した染料は染色方法, 界面活性剤の存在などにかかわらず同じ状態で存在している.また拡散係数, 拡散の活性エネルギーの検討から, 分散染料のナイロン6フィルム内部での拡散のメカニズムは, 浸染と泡沫染色法による相違は認められない.
    2) 泡沫染色においては, 浸染に比し大きな表面染着量を示す傾向にあり, 染色に寄与できる分散染料の濃度が高あられると考えられる.
    3) 分散染料―界面活性剤間の相互作用は, 親水性の大きい陰イオン界面活性剤よりも親水性の小さい非イオン界面活性剤との相互作用の方が大きくなる傾向がある.しかしながら, 分散染料のナイロン6フィルム内部での拡散に界面活性剤の種類の影響は非常に小さいと考えられる.
    4) 泡沫中の気/液界面の増加にともない泡沫中の分散染料濃度も増加することから, 気/液界面への相当量の分散染料の吸着が示唆された.
  • 中野 喜久子, 島崎 恒蔵
    1990 年31 巻4 号 p. 183-189
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    本研究は, 二重環縫ミシン (ステッチ形式: 401) 縫製における動的な縫糸張力が, 縫糸消費長やシームの基本的特性として重要な伸長性などとどのような関係にあるかを実験, 検討したものである.得られた結果は次のようである.
    (1) 針糸およびルーパ糸の動的張力チャートは, 各々3箇所の角度に特徴的な張力ピークが発生した.両縫糸張力は相互に影響し合いその大きさが変化するが, 特にルーパ糸張力は針糸張力の影響を大きく受ける傾向にあった.
    (2) このステッチ形式では張力設定により複数の形態を取るが, ステッチ形態は針糸張力により主に決定され, 針糸の引き締めに関連の深い動的針糸張力の2つのピークを変数とした判別関数により, 均衡したステッチとそれ以外のステッチに判別が可能であった.
    (3) 縫糸消費長と動的縫糸張力の関係は, MLn-Lnを目的変数とし, 針糸とルーパ糸張力の3つのピークを変数とした重回帰式により良好な関係を得ることができた.また, MLn-LnとML1-L1の間にも負の高い相関関係が得られた.ここでMLn, ML1は, 針糸とルーパ糸の縫糸張力のバランスがとれ, しかも縫糸や布にたるみやひずみが生じていないステッチモデルの1ステッチに要する針糸とルーパ糸の消費長であり, Ln, L1はそれぞれの実際値である.
    (4) シームの破断伸長率と単位長さ当りの総縫糸消費長の間に高い相関関係が得られた.
    (5) 上記の関係を用い, 任意に縫製条件を設定し, 実測した縫糸張力ピークよりステッチの形態, 縫糸消費長およびシームの伸長率の推定を試みたところ, 実測値を良好に推定することができた.
  • 神山 進, 苗村 久恵, 田中 早苗, 高木 修
    1990 年31 巻4 号 p. 190-201
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    人々の主観に基づく危険性の評価のことを, リスク知覚と呼ぶ.本研究は, 特に流行に敏感な商品の購入時に知覚されるリスク (‘知覚されたファッション・リスク’) について, その内容やリスク解消法 (低減法) の内容, さらに両者の関連性や, その関連性に影響する消費者の個人的特性を, 衣服の購入事態を通して検討した.
    得られた結果は, 次のごとくであった.
    1) ‘知覚されたファッション・リスク’の構造に関して, 「品質・性能懸念」, 「服装規範からの逸脱懸念」, 「着こなし懸念」, 「流行性懸念」, 「自己顕示懸念」と命名した, 5種類の懸念 (因子) が抽出された.
    2) リスク低減法の構造に関して, 次のように命名された, 12種類の懸念解消法 (因子) が明らかになった.すなわち, 「友人/モデルによる保証」, 「ブランド/ストアの高イメージによる保証」, 「品質・性能の確認」, 「着用方法の確認」, 「ストア・ロイヤリティ」, 「購入の即断回避」, 「販売店員の助言」, 「家族による保証」, 「経済的犠牲の軽減」, 「着用寿命の確認」, 「試着」, 「自己納得」, である.
    3) 5つの‘知覚されたファッション・リスク’のそれぞれを解消させる低減法が, 次のように明らかになった.すなわち, 「品質・性能懸念」を解消させるための「品質・性能の確認」と「着用寿命の確認」, 「服装規範からの逸脱懸念」を解消させるための「経済的犠牲の軽減」と「着用寿命の確認」, 「着こなし・流行性懸念」を解消させるための「友人/モデルによる保証」と「着用方法の確認」, 「流行性懸念」を解消させるための「ブランド/ストアの高イメージによる保証」, 「自己顕示懸念」を解消させるための「着用方法の確認」と「家族による保証」, である.
    4) ‘知覚されたファッション・リスク’に対してどのような解消法が利用されているかの観点から, 被調査者の群化が行われ, 4つのクラスターを得た.また各クラスターを, 消費者の個人的特性 (性・年代・社会心理的特性) によって特徴づけることができた.
  • 塩見 昭, 阿部 久美子, 前田 直美
    1990 年31 巻4 号 p. 202-210
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    パイル地の吸水性とその評価に関して, 実験的な立場から検討した.このため, 市販の14種のパイル地を用い, 水平に置かれたこれらの布の自然吸水における吸水特性をPorous Plate法に準じて試作した装置によって測定した.さらに測定条件や布の物性が吸水特性に及ぼす影響について調べた.
    その結果, 布面に垂直な吸水に関して, パイル地の種類によって飽和吸水量および初期吸水速度においてかなりの差が見られた.初期吸水速度は, 接触圧力の増加に伴って大きくなり, 特に接触圧力15g/cm2以下での変化が顕著であった.また, 初期吸水速度が接触面積に依存することが知られた.一方, 垂直・水平両方向の同時吸水における初期吸水速度は, 垂直な吸水におけるそれよりもかなり大きく, 平均的に約3倍にも達することがわかった.
    さらに, 初期吸水速度および飽和吸水量と布の構造や性質との関係を調べるとともに, ストリップ法による評価との関係についても検討した.
feedback
Top