繊維製品消費科学
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スリップの着用感と摩擦特性との関連
諸岡 英雄伊藤 玲子川瀬 玲子米倉 悦子
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1990 年 31 巻 6 号 p. 294-301

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抄録
スリップにおける着用感と摩擦特性との関連を明らかにするために, 21種の春秋物スリップが日本人女子大学生に対して調査された.
次の諸結果が得られた.
1) 快適なスリップは滑りが良い, まつわりつかない, 裾が上がらない, 着ている感じがしないのような特殊な着用感を持ち, それはナイロンやポリエステル製スリップに見られた.それに対し, 不快なスリップは上記の着用感はなく, それらはスリップのスカート部が100%木綿布や木綿の混紡布から造られたスリップにみられた.
2) スリップの布とパンティストッキング (100%ナイロン) や裏地 (100%キュプラ) との間の摩擦測定によれば, 木綿の摩擦はナイロンやポリエステルよりも約5倍も大きい.したがって, スリップに木綿布を用いる場合には, より滑り易くする必要がある.
3) MIU (平均摩擦係数) は上記の着用感とかなり関連がつよく, スリップの着用感を評価するときの有効なパラメータであることが分かった.
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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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