繊維製品消費科学
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ビニルスルホン系反応染料を用いたセルロース染色物の光―汗複合作用による変退色とその染色堅牢度試験法
岡田 安代加藤 敏子森田 全三
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1991 年 32 巻 4 号 p. 171-178

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抄録

セルロース上のビニルスルホン系 (VS) 反応染料を基質や酸素を含む水溶液中で露光して調べた光退色メカニズムに基づいて, 種々の人工汗液に浸漬後, JIS L 0888 A法で露光した時の綿布上のVS染料の変退色挙動を解析し, その退色挙動がこのメカニズムで説明できることを示した.一般に, 基質が十分に存在する時には, 綿布上では露光初期に酸化退色が主として起こり, 露光を続けると還元退色が生ずる.JIS L 0848人工汗液は, 還元され易い染料に対しても小さな還元退色しか与えない.
綿布上の6種のVS染料の光一汗複合作用による変退色挙動を種々の人工汗液を用いて, JIS L 0888 A法で露光した結果からこのJIS試験法の問題点を検討し, 改善の方策を整理した.

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