1993 年 34 巻 12 号 p. 660-667
粒子除去のメカニズムを検討するために, ポリスチレンラテックス粒子をセルロース, アセテート及びポリエステル基質に付着させて, 開発した流体力洗浄装置により洗浄し, 粒子除去力FH1/2を算定した.さらにVTR装置とパーソナルコンピュータを用いて除去される粒子の挙動を観察・分析し, 既に報告したガラス基質の結果と比較した.結果を以下に示す.
1.FH1/2は粒子径別では1.01μm<5.00μm<15.0μmの順となり, 基質別ではセルロース<ガラス<アセテート<ポリエステルの順となった.
2.粒子除去の挙動は, 既に報告したようにA型とB型の2つのタイプがあった.A型の割合は基質の親水性に影響された.
3.A型により除去される粒子の軌跡を求めたところ, 2つのタイプ, すなわちA1型とA2型のあることが確認でき, 流速が増すとA1型が増加しA2型は減少した.移動速度は, 既にガラス基質で報告したようにA1型の方がA2型により速くなった.5.00μmポリスチレンラテックス粒子では, A1型とA2型の割合は, セルロース<ガラス<アセテート<ポリエステルの順となり基質の親水性に影響された.