繊維製品消費科学
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流体力による固体粒子汚れの除去
(第7報) ―種々の基質に付着させた球状ポリスチレンラテックス粒子の除去挙動―
日景 弥生岩崎 芳枝矢部 章彦
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1993 年 34 巻 12 号 p. 660-667

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抄録

粒子除去のメカニズムを検討するために, ポリスチレンラテックス粒子をセルロース, アセテート及びポリエステル基質に付着させて, 開発した流体力洗浄装置により洗浄し, 粒子除去力FH1/2を算定した.さらにVTR装置とパーソナルコンピュータを用いて除去される粒子の挙動を観察・分析し, 既に報告したガラス基質の結果と比較した.結果を以下に示す.
1.FH1/2は粒子径別では1.01μm<5.00μm<15.0μmの順となり, 基質別ではセルロース<ガラス<アセテート<ポリエステルの順となった.
2.粒子除去の挙動は, 既に報告したようにA型とB型の2つのタイプがあった.A型の割合は基質の親水性に影響された.
3.A型により除去される粒子の軌跡を求めたところ, 2つのタイプ, すなわちA1型とA2型のあることが確認でき, 流速が増すとA1型が増加しA2型は減少した.移動速度は, 既にガラス基質で報告したようにA1型の方がA2型により速くなった.5.00μmポリスチレンラテックス粒子では, A1型とA2型の割合は, セルロース<ガラス<アセテート<ポリエステルの順となり基質の親水性に影響された.

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