繊維製品消費科学
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編布の熱移動に対する相対湿度および空気層の影響
權 五敬成 秀光
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1994 年 35 巻 9 号 p. 474-479

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抄録

編布の熱移動に対する相対湿度および空気層の影響を究明するために熱的特性測定器 (Thermo Labo II) を使って内衣用編布10点の湿度および空気層の厚さに対する熱移動特性である保温率, qmaxを測定した.また, これらの熱移動特性に対して熱伝導率, 通気性, 温度および空気層の厚さ影響を統計的に分析考察して次の結果を得た.
1.編布の保温率は見かけ密度が少なくなるほど, 空気層の厚さが厚くなるほどよく, 空気層の厚さ8mmでは150%まで保温率が増大した.湿度の増加に伴い保温率は一定に減少して65%RH以上での変化は緩慢であった.
2.相対湿度が大きくなるとqmaxが増大して冷感が大きくなった.編布の見かけ密度が少なくなるほど, 表面状態があらくなるほど温感が大きくなり, 表面が平滑になるほど冷感が大きくなった.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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