繊維製品消費科学
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せん断振動特性からみたポリエステル新合繊織物の特徴
杉村 桃子松平 光男
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1999 年 40 巻 7 号 p. 462-469

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抄録

衣服の動的ドレープ挙動に影響を及ぼす, 織布のせん断変形に基づくせん断振動の実験から, 新合繊ポリエステル織物の特徴を検討し, 以下の結果を得た.
1) 新合繊ポリエステル織物の従来分類では, ニューシルキー, レーヨンタッチ, ピーチフェイス新合繊ポリエステル織物のせん断振動は, ニュー梳毛新合繊ポリエステル織物よりも長時間振動したが, 天然シルクフィラメント織物よりも振動時間が短い.
2) 製造段階による分類では, 糸段階で加工した布のせん断振動は, 布段階で加工した布や, 繊維段階で加工した布よりも振動時間が短い.
3) 繊維加工技術による分類では, 異収縮混繊, 異形化断面繊維, 極細繊維タイプの新合繊ポリエステル織物のせん断振動は, 長時間振動し, クリンプ付与加工した布は振動時間が短い.
4) せん断振動特性は, ドレープ係数との相関が殆どなく, せん断振動特性値が動的ドレープのパラメータとして有効であると考えられる.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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