繊維製品消費科学
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ギャザー加工における布のふくらみと防しわ率の関係
堀尾 茂子
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1999 年 40 巻 7 号 p. 470-474

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抄録

布のタック加工またギャザー加工の工程において, 布をループ状に曲げて, 押さえる工程が必ず入る.本研究では, タック加工とギャザー加工に関する基礎的データを得るため, 防しわ率が異なる8種類の布 (40~90%) を用いて, 曲げによる布の変形と, それを押さえた後の形状の回復について, 具体的に調べられた.その結果, 防しわ率が60%以下の試料は, 曲げた後50gf/cm2の圧力で5秒間押さえただけで折れじわがつきやすく, 一方, 防しわ率が70%以上の試料は, 曲げた後500gf/cm2の圧力で5秒間押さえても折れじわがつきにくいことが, それぞれ明らかになった.また, 実際にギャザー加工を施し, その形状を調べた結果, これらのことが立証された.また, ループの膨らみ度φ (ループの長径と短径の比) と防しわ率CRとの関係は近似的にφ=0.46sin (0.96CR) と表せることが明らかになった.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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