繊維製品消費科学
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三次元計測装置による人体水平断面形状の計測
―断面形状の捻れ修正と平均化の検討―
三吉 満智子金 金花
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1999 年 40 巻 8 号 p. 539-547

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抄録

日常の衣服の供給をほとんど既製服に依存している現在, 人体への適合の良い既製服設計は重要でありながら, 設計用として用いられるボディは, 必ずしも人体形態計測データ, 及び衣服設計を前提とした人体とボディとの関係条件などに基づいた設計がなされているとは言えない現状である.
そこで本研究では衣服設計用ボディの設計条件を明確にし, 三次元人体計測装置によって得られたデータを用いて, ボディ設計用のデータとして要求される水平断面の平均化, 左右の対称化を目的に, その方法の定性的研究を行った.
20~25歳の女子30名の立位姿勢の三次元計測データから後腋点位, バストライン, ウエストライン, ヒップラインの4断面を対象に, その自然立位における左右非対称性について, 捻れ, ずれ, 形質的な歪みの3要素に分析し, 捻れ修正のための回転角度を求めて捻れを戻してのち, その厚径, 幅径及び曲線形状を計測し平均図形を求める方法を考案, 検討した.曲線形状を半円と方形の接合図形にモデル化し, 左右の半円部分は極座標として計測, 統計処理し, 平均値を用いて平均図形として各断面を再構成した.
結果として描かれた平均図形は, 捻れ, ずれの無い, 各断面の形状特性を再現した平均図形が得られた.得られた平均図形と厚径, 幅径の平均値との小差の修正, 形質的な歪みの平均化等については別報とする.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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