2001 年 42 巻 11 号 p. 766-774
本研究の目的は, 男性のジェンダー・フリーな被服行動への志向性が, 個人のジェンダー・パーソナリティ (男性性・女性性と, ジェンダー・スキーマ) とどのような関連があるのかを検討することである.男子大学生のモデルに女性用の2種類の衣服を着せ, そのモデルの写真に対するイメージ評定, 好意度, またモデルと同様の被服行動への意図について質問をした.被験者は, 271名の男女大学生であった.男女別の分散分析により, 男性性, 女性性の効果を調べたところ, 男性は, 多くの指標において, 女性性が高いとジェンダー・フリーな被服行動を志向することが明らかになった.また, 男性に関してはジェンダー・スキーマが弱いことも, 促進要因となっていることがわかった.