2001 年 42 巻 11 号 p. 784-792
本研究の目的は, 摂食障害傾向と流行採用時期により特徴づけられた学生の流行意識や着装意識との関連を検討することである.179名の女子大学生を対象に, 摂食障害, 流行採用時期, 被服関与度, 痩身願望の原因, 着装意識などを内容とする調査を行った.
主成分分析により, 痩身願望の原因3因子, 感情2因子, 着装意識4因子構造が得られた.摂食障害傾向と流行採用時期により特徴づけられた4群により, それらの因子に差異が認められるかを検討した.その結果, 例えば, 「ファッション重視型摂食障害傾向群」は, 痩せたい原因の一つに服に関する内容をあげていた.彼女たちは, ぴったりした服を着ており, 服を着ることにより体型が変化し, 膨張すると感じていた.そして, 服を着る時には自己意識が高まり, おしゃれを意識していた.また, 「ファッション軽視型摂食障害傾向群」には「被服関与度」が影響していること等が示唆された.